開発事例
超微粒WC粉末の開発
WC粉末は近年のニーズの多様化により、必要とされるグレードは多種に渡ります。
					特に、切削工具、触媒、燃料電池等の分野では従来よりもさらに微細なグレードが求められていました。
					そこで今回、当社が保有する粒度コントロール技術により、超微粒WC粉末を開発しました。これにより当社では、超微粒粉末から超粗粒粉末まで生産可能となり、多様なニーズに応える製品のラインナップを構築することができました。
					通常W粉の粒径写真
							WC-F
							開発品
W,Mo固溶体粉末の開発
ミクロンレベルの精密分散技術により、ムラの無い均質に固溶した固溶体粉末を開発しました。
					当社主力であるタングステンとモリブデンの前駆体を合成段階で均質分散した後、熱処理することにより均質な合金粉末を得ることに成功しました。本粉末は高純度、微細粒度も達成しており、高信頼性が要求される半導体用途への利用が期待されます。
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従来の固溶体粉末

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開発した固溶体粉末

 
各種炭窒化物粉末の開発
各種炭窒化物粉末は、切削用ならびに耐摩耗用に使用するサーメット工具の主成分、さらに超硬合金への添加剤等、幅広い用途において使用されています。
					近年では、燃料電池、フィラー等の新たな分野でも適用が期待されています。
					当社では、これらの要望に応えるため、様々な炭窒化物粉末の開発に取り組んできました。
					炭窒化物粉末は、炭素および窒素の組成によって粉末の特性が異なります。
					また、上記にWやMo等の金属元素を固溶させた炭窒化物固溶体粉末については、固溶させる元素によって固溶度や粒子形状が変化します。
					当社は、これら様々な組み合わせが考えられる炭窒化物粉末を、お客様のニーズに合わせて提供します。
SEM像の一例
						炭窒化物粉末:Ti(C,N)
						炭窒化物固溶体粉末:(Ti,W)(C,N)
新規ヘテロポリ酸の開発
ヘテロポリ酸はその強酸性と強酸化性から触媒用途への注目が集まっています。当社ではリンタングステン酸、ケイタングステン酸等のスタンダード品に加え、ヘテロポリ酸の設計性に対応して配位原子を置換した混合配位型や、多様な塩類の開発にも盛んに取り組んでいます。
					下図のリンモリブデン酸セシウム塩は、セシウム量を絶妙にコントロールする事により、触媒用途に重要な高比表面積設計を実現しました。本組成に限らず多様な配位原子のカスタマイズを承ります。
					混合配位型 リンバナドモリブデン酸
						リンモリブデン酸セシウム塩